私は長年、テントを扱う会社に勤め、店舗などに据付けるテントの設置工事や、イベントの仮設テントの設置・撤去に数多く携わってまいりました。
据付テントの工事の際に思ったことは、「テントひとつで、お店の雰囲気が変わり、集客のためのひとつの戦力となっているのだな」ということです。
また、仮設テントの仕事で感じたことは、テントが直射日光や雨をしのぐ大切な役割を担っており、お客さまに頼りにされていることです。

経験を積むにつれ、「今自分ができることで、お客さまにとって、もっと身近な存在でありたい」「一つの行事が終わっても関係性を持ち続けることができ、何かあれば気軽に声をかけていただきたい」という思いが大きくなっていきました。
その思いの中に「テントだけでなく、看板にも精通できたら、お客さまに喜んでいただけるのではないか」と考えが芽吹き、長年勤めた会社を退職し、看板屋で修行をさせていただき、現在に至っております。
独立し、自分自身でこの仕事を切り盛りすることは大変です。お客さまのところに出向き、自ら話をうかがい、工場で製作作業をし、設置工事をする、という流れは、今世間で推進されている「働き方改革」を逆流しているのかもしれません。

しかし、どんな仕事でも一所懸命に取り組むことで、お客さまに笑顔になってもらうことができることに猛烈な喜びを感じてしまい、また次も時を忘れて頑張ってしまいます。
根っからのクラフトマンなのかもしれません。
きっかけは小さな仕事からでも、お客さまと末永くお付き合いのできる良い関係を築くことのできる会社を目指して今日も、挑戦の歩みは止めません。